Path: galaxy.trc.rwcp.or.jp!coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.u-tokyo.ac.jp!news.tisn.ad.jp!dnkgw!jepri!vodka!kdkr From: kdkr@komae.denken.or.jp (Shinji KADOKURA) Newsgroups: fj.sci.geo Subject: Re: Earthquake prediction with VAN method Date: 31 Jan 1995 14:49:55 GMT (日本時間 1995/01/31 23:49:55) Organization: CRIEPI, Tokyo, Japan Lines: 110 Message-ID: <3glimj$6d7@vodka.komae.denken.or.jp> References: <1995Jan19.042702.22461@owani.cc.hirosaki-u.ac.jp> NNTP-Posting-Host: kaze.komae.denken.or.jp In-Reply-To: ono@cc.hirosaki-u.ac.jp's message of Thu, 19 Jan 1995 04:27:02 GMT X-Newsreader: gn [Version 1.20 Mar.1,1994] Xref: galaxy.trc.rwcp.or.jp fj.sci.geo:523 門倉@電力中央研です。 忙しいのと,どんな書き方が良いのか迷ったこともあり,だいぶ時間を おいたフォローとなりました。 # 実は,罵倒記事を書いて温存していたのを 'How to get around fj.*' # (fj.news.usage) のおかげで止めたのでした :-) # thanks > Editors and ichikawa@flab 参照記事がこちらのスプールでも無くなってしまっているくらいなので, いきなりちょっと長い引用で失礼します。 # 叱られそう。 In article <1995Jan19.042702.22461@owani.cc.hirosaki-u.ac.jp> ono@cc.hirosaki-u.ac.jp writes: > 昨年は新聞などにおいて,春頃にゲラーさんによる「地震予知は不可能」 > 論が紹介され,年末には逆に「VAN法」による地震予知の実例が紹介 > されたりして,普段最先端の研究に触れにくい人々の間でも地震関連学会 > の現状が伝わったかなと思える一年でした.私にはVAN法が使い物に > なるかどうかは確かめる手段がありませんが,何年か前からVAN法に > ついて研究されている方達の学会発表を聞いていましたし,「岩石破壊 > 実験で,破壊に至る過程で電流放出が起きることが確認された」との > 結果は充分信頼性があると思っています.理論的にも根拠が無いもので > ないことは確かだと思います.それが日本で使い物になるかはやっぱり > 「実際にやってみなければ断言出来ない」と思われるのですが,問題は > 現在地震予知に携っていない,あるいは本業としていない地球電磁気学の > 研究者に,普段の自分の研究環境から「類推」した否定的意見が強く, > 時に研究者としてはあるまじき,後ろ向きな意見が出されることです. > 朝日新聞の昨年12月24日のVAN法の記事の中で,こともあろうに気象庁 > 地磁気観測所の主任研究官・小嶋美都子さんの意見として(以下記事抜粋) > > 「日本では電気的な雑信号が多い.それを取り除く努力をしないで, > 有望だと主張するのは意味がない」と批判し,「国内の研究者は > いますぐ決別すべきだ」と厳しい. (抜粋ここまで) > ^^^^^^^^^^ > と紹介されたことには,私のような駆け出しの研究者にも,驚きと失望の > ようなものを感じました.研究者としては,検証されてない新しい手法が > あったらそれを「検証すべき」言うべきで「決別すべき」にはならない > はずです.日本でVAN法は実地研究が本格的に始まったわけではない > のですから,小嶋さんにしたって「VAN法と決別すべき」と言う為 > の研究を何も行なっていないのは明白です.もちろん小嶋さんの「自分の > 研究」にとっては日本の電気的な雑信号はあまりに大きすぎるものでしょう. > ですから私たちがすべきなのは「それを取り除く努力」であるはずで, > 「決別」してしまったら誰がその努力をするのでしょう.我々地球科学の > 研究者はその努力を注ぐことの出来る一番近い位置にいるものとして > 期待され,研究費を与えられているのですから,軽々しく先のような > 発言をすべきではありません.まして今,関東・東海地区の地震予知に > 使おうとしている様々な手法も色々な雑信号が多くて直前予知が成功する > 可能性に疑問符が付けられるではないですか.雑信号の多いデータも > 重ね合わすほど信号成分が見えて来ることがあります.これは > スタッキングと呼ばれ,多くの研究者の方々が学ばれ,使用している > ことでしょう.VAN法のデータも他の手法のデータと組み合わせれば > 信号成分を取り出せるかもしれません.それともあまりに雑信号が多くて > 気象庁は地震予知から「決別して」しまっているのでしょうか. 小野田さんはなぜそんなに VAN 法の肩をもつのでしょうか? 感情的に小嶋さんや果ては気象庁(なんで気象庁まで持ち出すんだろ?) まで非難するよりは,VAN 法がどのようなものでなぜ画期的か,地球電 磁気の研究者たちがどうして理不尽なのか,もう少しちゃんと書いてみ たらどうでしょう。専門分野も近いし,というより地震予知という観点 からはまったく専門そのもでもあるのですから。 たしか小嶋さんは数年前にVAN法批判の論文を書いています。 # 「地震」辺りだと思うのですが,うろ覚えで地震^H^H自信ありません。 # 探してみてね。 小野田さんはこれを読んだ上で上のようなことを書いているのかなー。 まだの場合 --> 新聞記事を読んだだけでの批判なんて素人みたいなこ とはしないでとりあえず読んでみましょう。 読んでたら --> 小嶋さんの論法を簡単に紹介して,どこが問題か解説 すると良いでしょう。 世の中には「地震予知ができた」という人が大勢いて,もちろんそれを 確かめもせずにすべて出鱈目と見做す態度はそれで問題があるのですが, インチキが多いのもまた事実です。でなけりゃ地震予知なんてとっくに 確立してますよね。 で,使い物になるかどうか判定するのに全部実験していてはお金がい くらかかるかわかりませんから,可能性の評価をするわけです。「やっ てみなくてはわからない」などと言って無暗に浪費してしまうのも困る わけです。そして,そこそこの可能性を認めて初めてとりかかるという のは研究者の良心・義務だと思いますがどうでしょうか。 是非そういう観点を踏まえたうえでの解説を期待します。 まあ,震源予定地からどのくらいの距離でどのくらいの大きさの地震 ならVAN法で予知可能か,自分で見積もって見てはどうでしょうか。 # できれば前兆信号がどのように判定されるのか, 他の地球電磁気現象 # を含む雑音と比べてどのくらいの大きさが期待されるのかを含めて, # お知らせ下さるとありがたいです。 好運を祈ります。 それから,知っている言葉の上辺だけを安易になぞるのも,思いがけな い誤りを生むことになります。よく考えましょう。 「スタッキング」をしたらどんな事になるのでしょうか?前兆現象は一 回コッキリのものでしょう。データを重ねればそれはほかの繰り返し現 象に埋もれてしまうでしょう。 > .........................小嶋さんが意見を寄せてくれたらいいなぁ. 小嶋さんは現在技術課長で,はっきり言ってご多忙でいらっしゃると思 います。netnews も読んでないでしょうし,まあ無理でしょう。 # 私も暇じゃないんだけど ^_^;; # 関係ないですけど「小嶋」さんは「おじま」と読みます。 # PS: それにしても,自分の専門分野の論文なのに,調べもしないで # > のですから,小嶋さんにしたって「VAN法と決別すべき」と言う為 # > の研究を何も行なっていないのは明白です. # などと書くとは・・。 -- 門倉真二@電力中央研究所狛江研究所大気物理部地球気象グループ 〒201狛江市岩戸北2−11−1 電話:03−3480−2111FAX:03−3480−1942 email:kdkr@komae.denken.or.jp