空知支庁で発生した2月16日の地震について




 SeisPCと気象庁暫定値を使える環境にある方なら、北海道の空知支庁の南部(札幌市の東側)で2002.2.16〜17にかけて群発地震が発生(有感にはなりませんでした)していることを確認できると思います。これについてのKT法独自の指標である「複合活動断層長計規模」を計算すると、M3.7になります。主震の深さは18kmと浅く、火山の近くでもなく海岸沿いでもありませんから、通常の計算をする限り減衰補正は行いません。ですから、前兆レベルは「M3.7」になり、検知可能なはずの活動でした。

 しかし、これについて『「地震前兆検知」実験観測情報』では一切言及は有りませんでした。M2.2減衰する横ずれ地震であれば前兆レベルは「M1.5」になり検知限界下となりますが、そういう地震かどうかは他の機関から発表がない限り分かりません。しかし、何も言及が無いというのは、科学的に考えてデータの処理を公平に扱っている事になるでしょうか。『「地震前兆検知」実験観測情報』No.870では予測番号864-(1)対応の可能性として、同様の群発地震(2001.8.19〜20にかけて発生した断層長計規模M4.5の活動)を挙げていますし、『「地震前兆検知」実験観測情報』No.869でも予測番号864-(3)対応の群発活動の対応として同様の群発(2001.8.16に発生した断層長計規模M4+の活動)を挙げています。気象庁暫定値が手に入らない一般読者に対して公平なデータの扱いをしないというのでは、一般読者がKT法の検証を行うことは難しいと言えるのではないでしょうか。

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