八ヶ岳南麓天文台(KT法)に関する討論提起(2002年)

 「KT法」というのは、遠距離にあるFMラジオ局からの電波を観測して地震予知をしようとする手法です。この手法を開発した八ヶ岳南麓天文台の2人の名前の頭文字から「KT法」という名前が付けられました。この手法の詳しい仕組みや観測経験については串田嘉男著のPHP新書『地震予報に挑む』に紹介されていますし、2001年5月〜12月にかけて週刊朝日に『地震予報への道』という連載記事で紹介されました。

 私はこの手法で地震の予兆を捉えている可能性を否定はしていませんが、「この方法で絶対的かつ実用的に地震の予兆を捉えられる」というような肯定的立場でもありません。縁あってこの研究所で8ヶ月間仕事をする機会を得る事ができ、自分の目でこの手法の是非を研究現場で直に検証することが可能になったと喜んで仕事をしてきました。

 この8ヶ月間で受けた全体的な印象としては、スーパーコンピュータを駆使して得られる最新の天気予報程度の正確さはないけれど、山の中でラジオの天気概況を聴きとりながら自分で天気図を作って天気予報をするのと同じくらいの的中率はあったように思います。

 しかし、人権無視・精神障害者への侮蔑、誹謗中傷の言葉をぶつけて自らの主張を守る、社会科学的側面もさることながら、「自然科学」のありかたという面で見ても非科学的偏見に満ちた台長の態度を見ていると、これが本当に自然科学を議論できる環境かどうか、極めて疑問に思うようになりました。

 結局平成14年(2002年)2月22日(書面上では24日付)に解雇という形でこの職場を離れましたが、それまでの8ヶ月間に経験した中から、私が疑問に感じた点を、腐っても鯛ならぬ腐っても「一科学者」として議論提起していきたいと思います。

今ではネットニュースの利用者は少ないと思われるのですが、先日、取り敢えず公開討論の材料としてfj.sci.geoその他に記事を投稿しました。同文をここにも掲示いたします。これに関して討論をしたいと思っているのですが、私のプロバイダ(ASKnet)で利用できるBEKKOAMEのニュースサーバーは数日で記事がクリアされてしまうようなので議論の場としては不向きです。上記ネットニュースよりは、私のHPの議論用掲示板を御利用ください。


2003年5月22日に地震学会のメーリングリストなゐふるにおいて 行なった私の発言(KT法関連)に関して、 世話人(MLの管理者)よりネチケット違反と受け止められ、 私からの

「MLの規約に反することは今回行っていない」

とのメールでの説明にも当初耳を貸していただけず、逆にMLメンバーとしての 資格を今後与えないと受け止められるような強硬な対応がありまして、やむなく世話人との メールのやりとりを公開して「万事公議に決すべし」との対応を取りました。 しかし幸いなことに、電話での真剣な会談の機会があり、その結果、世話人の 抱いていた懸念が存在していないことが理解していただけ、和解いたしました。 したがってすれ違いだった討論部分は削除し、公開許諾された

世話人からのなゐふるml読者への報告記事

を代わりにここに掲載することにしました。

追加資料として、既に今年(2004年)3月に議論の掲示板にて掲載した記事ですが、週刊朝日に2001年に連載された「地震予報への道」や2001.12.21号の「富士山噴火の前兆か」という特集記事において話題にされた、「火山性群発地震前兆」という八ヶ岳南麓天文台の名付けるところの観測波形について、データの真偽、観測結果の継続性を疑う問題が発生していた事を御報告します。

観測波形は本物か?データは実は途中から欠測していたではないか?

それから、今(2004.7.17)現在までに、掲示板では議論が一回だけありました。それをここにご紹介します。
議論掲示板での討論


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