Newsgroups: fj.sci.geo
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From: ono@cc.hirosaki-u.ac.jp (Takeshi Onoda)
Subject: Re: Earthquake prediction with VAN method
Sender: ono@owani.cc.hirosaki-u.ac.jp (Takeshi Onoda)
Message-ID: <1995Feb2.030812.24617@owani.cc.hirosaki-u.ac.jp>
Date: Thu, 2 Feb 1995 03:08:12 GMT (日本時間 1995/02/02 12:08:12)
Lines: 57
References: <1995Jan19.042702.22461@owani.cc.hirosaki-u.ac.jp>
<3glimj$6d7@vodka.komae.denken.or.jp>
Organization: Information Processing Center, Hirosaki Univ., Japan
X-Newsreader: mnews [version 1.17] 1994-01/27(Thu)
Xref: galaxy.trc.rwcp.or.jp fj.sci.geo:524

やっぱり誤解されてる.
<3glimj$6d7@vodka.komae.denken.or.jp>の記事において
kdkr@komae.denken.or.jpさんは書きました。

>> 小野田さんはなぜそんなに VAN 法の肩をもつのでしょうか?
ここがその部分.わたしは「検証すべき」とは思っているが,
VAN法の肩を持つ気なんてさらさらありません.研究してそれが
使い物になるか検証しようよと言ってるだけで,検証もしないうちに
鵜呑みにするんでは研究者でもなんでもないじゃないかな?と思いますよ.

>> で,使い物になるかどうか判定するのに全部実験していてはお金がい
>> くらかかるかわかりませんから,可能性の評価をするわけです。「やっ
>> てみなくてはわからない」などと言って無暗に浪費してしまうのも困る
>> わけです。そして,そこそこの可能性を認めて初めてとりかかるという
>> のは研究者の良心・義務だと思いますがどうでしょうか。
>> 是非そういう観点を踏まえたうえでの解説を期待します。
実用レベルの観測施設を作るのはかなりお金がかかるでしょう.それぐらいは
はなから分かってます.いきなりそんなお金をかけなくたって基礎研究レベル
は出来ると思うのですが,「決別」したらただの1個もそんな研究が出来ない
んじゃなぁい?と言いたいんですよ.「決別」を勧めないで基礎研究をした
結果を見て,不備な点を指摘し,指摘した点の回避法を研究したりする方が
学問の発展に寄与しませんか?

>> まあ,震源予定地からどのくらいの距離でどのくらいの大きさの地震
>> ならVAN法で予知可能か,自分で見積もって見てはどうでしょうか。
>> # できれば前兆信号がどのように判定されるのか, 他の地球電磁気現象
>> # を含む雑音と比べてどのくらいの大きさが期待されるのかを含めて,
>> # お知らせ下さるとありがたいです。
もちろんVAN法が理論に裏付けられていても実用段階では「経験的」手法で
あるということ事は御存じですよね.経験的手法はどうしてもやってみな
けりゃ分からない部分も有るわけですから,それを「全くやらない」
わけにはいかんでしょう.闇雲にやれとは思ってませんよ,念のため.

>> それから,知っている言葉の上辺だけを安易になぞるのも,思いがけな
>> い誤りを生むことになります。よく考えましょう。
多分に「私がVAN法を有用と思い込んでる」と誤解してる所から
くるメッセージでしょう.有用と思い込んでいるわけではない人間に
上のメッセージは的外れに聞こえますが.


>> 「スタッキング」をしたらどんな事になるのでしょうか?前兆現象は一
>> 回コッキリのものでしょう。データを重ねればそれはほかの繰り返し現
>> 象に埋もれてしまうでしょう。
「地電流」「電磁波」「地震観測」「地殻変動(潮汐・GPS)」
「記象データ(温度・降雨量)」等を観測し,相互関係を考慮してノイズと
思われる部分をフィルターにかけて,信号があると見られる部分を「時刻を
揃えて」スタッキングし,普段ポコポコ起きてる地震(微小地震が毎日たく
さん起きてる事も御存じですよね?)と相関が見られないかどうかを見て
みようというんです.ほかの何のくり返し現象にどういう形で埋もれていくと
決めつけられているのか分かりません.これは片手間で出来る仕事では
ないことは確かであり,かつ,一通りの結果(「見えた」か「見えない」か)
が出るには時間が数年から十年はかかるだろうという大変な物ですがね.
ただ,何もやらないで議論だけして同じ時間を過ごすのは大きな時間の
ロスになるとおもいますよ.

#最近うちの研究室の先生や学生の中にもこの研究をしようかという話が
#出て来ました.

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= 小野田 英(おのだ たけし) :ono@cc.hirosaki-u.ac.jp                   =
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= 弘前大学大学院理学研究科修士課程地球科学専攻地震学研究室(2+α)年   =
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